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元号が令和に変わりましたが、海外のニュースサイト等を見るとReiwa Eraと書かれていますね。というわけでNew Eraに因んでNutanix Eraを紹介したいと思います。
Nutanix Era とは
Nutanix EraはDatabase as a Service(DBaaS)をオンプレミスで実現するためのNutanixプロダクトです。DBaaSとはいっても、Era自身がデータベースなのではなく、AWSでいいうところのRDSのような、データベースのデプロイや管理を行うためのマネージドサービスライクな機能を提供します。
Nutanix Eraは、Nutanix内の製品カテゴリで言うと”Enterprise”に属する単体製品です。みなさんがNutanixと聞いたときにイメージするハイパーコンバージドインフラ(HCI)関連は”Core”というカテゴリなので、そちらとはちょっと位置づけが違います。ライセンスも独立しています。仮想アプライアンスとしての提供です。
- Core: HCIそのもの
- Essentials: HCIに付加価値を足すもの
- Enterprise: チャレンジングな分野
という様に捉えとくとわかりやすいと思います。Enterpriseという言葉を聞いたとき、日本語訳としては”(大)企業”を個人的には思い浮かべたのですが、”冒険心”とか”困難に立ち向かう”という意味もあるそうです。確かに宇宙船とか空母とか某ゲームの飛空艇の名前が「大企業」だとおかしいですもんね…。
Nutanix Era の機能
それでは、Nutanix Eraでどんなことができるのか、キーとなるものを紹介します。
データベースのデプロイ機能
ウィザードに従って必要項目を入れていくことで、データベースを簡単にデプロイできるようにする機能です。本稿の時点(2019/5/1, v1.0.1.X)では、Oracle, SQL Server, PostgreSQL, MySQL, MariaDBに対応しています。シングルインスタンスだけでなく、クラスタ構成(Oracle RAC)のデプロイにも対応しています。
タイムマシン機能
データベースに対して以下のような操作を行うための機能です。
- 任意の時点の状態にロールバックする
- 任意の時点のクローンを作る
- 初期状態に戻す
EraでデプロイされたDBに対しては自動的にこの機能を有効化できます。内部的にはNutanixのスナップショット機能とデータベースのトランザクションログの組み合わせで機能しています。日次以上の間隔でのバックアップや、クローンを行う際にはNutanixの分散ファイルシステムレベルで高速スナップショットや高速クローン(実データを丸ごと書きだすのではなくブロックマップを更新)をしますので、余分なストレージ容量を消費することもありません。
このような仕組みを導入することで恩恵に授かれるのは、インフラの管理者だけではなく、アプリケーション開発者もその対象となります。
DBが簡単かつ高速にクローン出来ると、アプリケーション開発者が、本番DBと同等のデータを用いた開発やテストをすぐに行ったり、DBに対する変更を本番環境に影響を与えずにテストしたりすることができます。要するにAmazon RDSのユーザーさんが「便利!」と言っているあたりの機能がオンプレでもできるようになるわけですね!
Rest API 対応
Rest APIによる制御にも対応していますので、更に自動化を作り込みたい、という要望にも対応可能です。
まとめ
DevOpsやCloud Nativeアプリケーション開発といった考え方が広まる中で、DBひとつデプロイするだけで仮想基盤管理者・ストレージ管理者・DB管理者をはじめとする多数の
人の手を介在するような仕組みは開発スピードのボトルネックとなり得ます。
Nutanixとしては、インフラのシンプル化だけではなく、少し上のレイヤーにも目を向けて、このようなカテゴリの製品にも力を入れ始めていますので、注目していただけると幸いです。
参考情報
- Nutanix Era User Guide 1.0(Nutanix公式, 英語)
- コピーデータ管理を簡素化するソリューションNutanix Eraのご紹介(Lenovo Technology Network)